『ワンダビジョン』ウェストビューは私たちのいる世界だ

ディズニープラスで毎週金曜に配信されている『ワンダビジョン』を観ている。


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ざわつかせるビジュアル



以下ネタバレしています









第1話では、周囲に特殊能力を隠しながら新婚生活を送るワンダとビジョンのシットコム


奥様は魔女』なドタバタコメディで、

ご丁寧にCMまである(分かる人には分かる意味深な内容の)。

そして何故か最後に誰かがそのシットコムを(放送している?)観ている描写が映され第1話は終了。


マーベル素人の私には、この初回から違和感だらけであった。

え、なんで死んだビジョンが生きてるの?

しかもシットコム

まさかこれがやりたかっただけなの…かな…?


しかしマーベルはそんな生易しくなかった(当然)。


このシットコムは不穏な空気をまとっている。

話ごとに時代設定がバラバラだったり

モノクロだったのがカラーになったりする。

このシットコムを「演じてる」体で話しかけてくる隣人とか、

時系列無視のストーリー展開など、視聴者を置いてけぼりにする不穏さ。


楽しくドタバタコメディしてると思ってたのに、なんか変だよね?何が起こってるの?と観ていて落ち着かない。


様々な違和感を、謎を、マーベルが回を追うごとにどんどん明かしては新たにチラつかせてくる。

非常に入り組んだストーリーなので毎話終わるごとに「どうゆーこと?」と思わず口に出して言ってしまう。


何が何だかわからない。でも何かが起こっている。わかるまで、一瞬も見逃せない(そしてわかった時には驚かされたり更に戸惑ったりする)。


2月19日配信の最新話では

シットコムの世界を操っていたのは

実はワンダではないのでは…?

隣人で何かと世話を焼いてくれるあのアグネスが、黒幕なん…?

(ここ、ファンならもっと楽しめたんだろうな〜。それにしても犬…ワンコは…やめてほしかったよ…)


このワンダビジョンで最も驚かされるのは、9話完結なこと。

もう7話だよ?ほんとに大丈夫?



マーベルファンなら初回から眼を光らせて観ていただろうし、ある程度の予測も立てられたんだろうけど

私はマーベル素人なので、深まる謎にただ戸惑いながら観ていることの方が多い。

それでもワンダビジョンは面白い。


そもそも個人的にアベンジャーズの時からワンダとビジョンが好きなのと

ドラマとは思えないスケールのデカさ!

画面の派手さ!ワクワクする!

やっぱアメリカはエンタメへのお金の掛け方ハンパないよね最高!


SNSで見られるマーベルファンの方々の感想や推理もまた楽しいです。

勉強になります。ありがとうございます。



このシットコム世界はワンダが作ったという結論に至った回(最新話では、どうやらワンダの力だけではないということが判明した)では

そんな悲しいことある?しか私の頭にはなかった。

たしか製作者のコメントか何かで

「ワンダはアベンジャーズの中でも一番辛い目に遭ったからその後が気になってこの作品を作った」みたいな(うろ覚えです)

こと言ってたし、

どうか、どうかワンダに救いのある結末にしてほしい。

あの子には幸せになってほしい。

あと、これだけ色んなことができるマーベル世界、どうにかビジョン復活していいじゃん…?

だめですかね…(とにかくビジョンが大好きなので…)



ワンダは能力を持っていること以外、ごく一般的な女性だ。

シットコム世界では越してきた町に馴染もうと努力したり、料理や子育てを頑張っている。


町の人々はワンダに操られてる(現時点ではそういうことになっている)が、

表面上は全くわからない。平凡な町で人々は平和な暮らしを営んでいるように見える。


私の世界も実は同じではないだろうか。


見えてる世界は今日も、とりあえず平凡で平和である。


でも本当は、知らないどこかで今日も子どもが死に、人為的に海は汚れ森は焼かれ、生物は苦しめられながら息絶え、北極では氷が溶け続けている。


死にたいほどの苦しみを抱えながら、笑顔を振る舞っている。そんなふうに表面とは真逆のことを考えながら生きてる人がこの現実世界に何人いるだろう。


それでも私は日々の生活に追われて

目の前で起こることに一喜一憂し

今日も疲れたと言って布団に入る。


みんな、自分の世界で生きている。

見たいものだけ見ている。

私には自分の世界を作りあげたワンダを責めることはできない。


目に見えないものを想像していたい。

自分と他人、もの、自然、すべてが、

目に見える世界が全てではないということを教えてくれる。




若い頃は、マーベル作品にまったく興味がなかった。

しかし子どもが成長し、大人も一緒に観て面白い映画がマーベルシリーズだった。

と言っても私が観たことのある作品は


スパイダーマンシリーズ

・アイアンマン1〜3

アントマン1〜2

アベンジャーズシリーズ

ブラックパンサー


くらい。

マーベルの映画って、めっちゃくちゃいっぱいあるんですね。

そもそもマーベルコミックがめちゃくちゃ

多くて驚く。

日本の漫画でこういう形態取ってるのってないと思う。

世界線が同じなのは沢山あるだろうけど、

常に色々なキャラが、それぞれ主役張ったり別の物語では脇役やったりするのって、独特で不思議。


藤子不二雄先生のキャラクターたちが一斉に集まるのはスペシャルアニメでしかあり得ないし(めっちゃテンション上がるよね)。



ああ、あと2回で終わるのか…寂しいな…

とにかくワンダを幸せにしてよマーベル。頼むよ。

あとビジョン復活も諦めない。

よろしくお願いします。